【6日=Jordan Bastian / MLB.com】メジャーリーグ機構は、守備面でのベストナインに贈られるゴールドグラブ賞のア・リーグ受賞者を発表。シアトル・マリナーズのイチロー外野手がメジャーデビューした2001年から7年連続で選出された。一方、メジャートップの盗塁阻止率を記録したマリナーズの城島健司捕手ら、そのほかの日本人選手は選ばれなかった。
おお、さすが!というところなのだけど、
この記事に対するはてブコメントで、
2007年11月07日 gomis 城島が選ばれなかったのは納得いかん。ぽろぽろボール落とすから印象悪いのかなあ/GGは知名度と打力が必要。名目は守備の名手に与えられる賞なのに
というものがあったので、その妥当性について、少々検討してみた。
id:gomisのコメントを要約すると、以下の通りだろう。
(3点目はあくまで上記2点からの類推。言わんとすることに関する。)
比べてみたのは、以下の3選手。
情報ソースは、当然、公式サイト。
The Official Site of Major League Baseball
Individual Player Stats - Kenji Johjima
Individual Player Stats - Ivan Rodriguez
Individual Player Stats - Russell Martin
また、Statsの略号については、
以下のサイトを参考にさせていただいた。
MLB - MLB Stats Glossary
ゴールドグラブ賞の正確な規定…と言うわけではないが、
僕が個人的に考える、守備の貢献ポイントは3つあると思う。
1点目は、個人の力で上下しやすいポイント。
例えば、失策はその代表だろう。
2点目は、その選手が如何に勝利に貢献したか。
目的が勝利である以上、持続的な意味で良いプレーとは、
より勝利に貢献したプレーと言うことになるだろう。
3点目は、チームの勝利への貢献度。
そのチームにおいてその選手が果たした役割はどれくらい大きかったのか。
特に捕手の場合には、リードという面もある。
チーム成績も加味せざるを得ないと思う。
それぞれについて、さらに掘り下げてみる。
個人によるプレーの質/正確さ
まずは、先ほども挙げた失策。
これは一番目に付きやすく、記録に残りやすい、守備の『結果』だ。
もちろん、チームに極端なノーコン投手や、
とんでもない変化球を投げる投手がいたら変わっては来るけれども、
一般的に失策というのは、本来出来たプレーが出来ないときに付けられるもの。
だから、数字上は個人の能力、と判断して良いだろう。
(例えば本来取れないボールを後逸した場合は、暴投と判断される)
そういう意味で言うと、城島の失策はシーズン通して、たったの2しかない。
これは、120試合以上出場した捕手11人の中で最も少ない。本当に驚くべきことだ。
一方で他の2選手はそれぞれ6、14と、2に比べるとかなり多くなっている。
では守備率ではどうだろう?
守備率とは、
“選手が守備に関わった回数のうち、失策をしなかった率”であり、
以下の公式で求められる。
(守備率 - Wikipediaより抜粋)
失策数の少ない城島は、当然守備率でも貢献しており、
3人の中で最も高い.998。
続いて、Ivan Rodriguezが.993、
Russell Martinが.988と続く。
次に盗塁阻止率。
城島の売りでもある。
公式サイトのStatsにはそのデータがないので、盗塁阻止と許盗塁から求めてみると。
城島が.465、Ivan Rodriguezが.309、Russell Martinが.333。
圧倒的に城島が優秀だ。
ここまで見た限りでは、確かに、
城島以上の選手は見あたらないのではないか?とさえ思える。
チームプレイとしてのプレーの質/貢献度
では次に、チームプレイとしてのプレーの質、
試合の中での貢献度に付いてみてみる。
どんなに個人プレーが素晴らしくても、
有効でなければそれは意味がない。
詳しくは、セイバーメトリクスをかじっていただきたいが、
簡単に言えば、失策が少ないことと、失策を恐れてチャレンジしないこととは、
『失策数』という数字の上では見分けが付かない、からだ。
そういう意味で、その選手の守備プレーの質を判断するには、
どれだけのアウトを獲得したか?で判断するのが良いとされている。
いわゆる、アウト寄与率、だ。
アウト寄与率とは、
“ある選手が1試合平均(9イニング換算)でいくつのアウトに関与したかを示す指標”であり、
次の式で求められる。
(抜粋元、上記同)
城島のアウト寄与率は、7.00。
一方で、Ivan Rodriguezは7.56、Russell Martinは、なんと8.25。
1試合におけるアウトの獲得率が、城島より平均1個以上多いことになる。
(120試合以上出場した捕手11人の中では8番目)
2人の、試合への貢献度が、城島に比べて圧倒的に高いことは明らかだ。
僕は決して城島が拙いと言いたいわけではなく。
彼も素晴らしいが、その彼よりも素晴らしい選手がいたということを、
少なくとも記録は示している、と言いたい。
結局の所、盗塁阻止もアウト寄与に含まれるわけで。
城島の売りである肩は、他の2選手には確かにないが、
しかし他の2選手には、それ以外で貢献する方法がある、ということではないか。
(と書いて思ったけど、捕手のアウト寄与率って外野手も重要だね…そういえば)
チームの勝利への貢献度
最後に、チーム成績を簡単に見てみると。
これが笑ってしまうのだけど、SeattleとDetroitとは、
88勝74敗でプレーオフに進めず…と、
全く同じ成績なんである(苦笑)
さすがにこれは、甲乙付けられない。
ま、ちなみに、ドジャースは82勝80敗で、
ナショナルリーグ西地区4位なんで…
チームの順位どうこうは僕が思ってるだけで、
あんまり関係ないってことか。
以上、守備成績をまとめると、
個人成績として城島にも見るべき点はあるが、
捕手としての仕事をより高いレベルでこなしているのは、
Ivan Rodriguezということになるのではないかと思う。
コメントでは、打撃成績が重視されている…と書かれているが、さて。
今季の3者の主な打撃成績は以下の通り。
若干、Russell Martinが抜きんでてはいるが、
城島と、Ivan Rodriguezの成績は殆ど変わらない。
長打率、得点圏打率などを加味すると、
城島の方が良いくらいだ。
今までのゴールドグラブ賞を見れば、
打撃成績など重視されない、とはとても言えないけれども、
しかし、この選考に限って言えば、
さほど大きな影響があったとは思えない。
打撃では、取り立てて違いがなかった。
結局、城島を押すべき特筆点は見あたらず、
そうなるとやはり、チームをまとめたIvan Rodriguezが、
印象として評価されるのも仕方のないことかなと思う。
まー実際の話、データの精査なんかするわけがなく、
監督・コーチによる投票という印象ベースの投票システムなので、
ここに書いた、データによる裏付けは、結果論なんだけどね。言っちゃうけど(苦笑)
仮にSeattleがプレイオフに出てれば、印象度もかなり違ったろうけど…
今回は仕方がないね。
また、来年。
Ivan Rodriguezといえば、Texasのときから、名捕手として有名だったわけで。
36歳になった今、強肩を誇ったその肩は随分と衰えてしまったけれども、
(1999年の盗塁阻止率、なんと.547!)
それでもやっぱり、彼は名選手、みたいなのがみんなにあるっていう。
だから、その印象度に引っ張られて、有名な人が選ばれる。。
システムを変えようとしてもなかなか変わらないだろうから、
もうこれは、そういうもんだと思うしかないのかもなーとか。
純粋な、守備No.1ではなくてね。
(3点目はあくまで上記2点からの類推。言わんとすることに関する。)
- 城島の方が守備は優れていたはずだ。
- ゴールドグラブ賞は本来守備の章であるはずなのに、打撃成績が影響している。
- → 城島は打撃成績の差でゴールドグラブ賞を獲得できなかった?
比べてみたのは、以下の3選手。
- 城島健司(Seattle)
- Ivan Rodriguez(Detroit)… ア・リーグ/ゴールドグラブ賞
- Russell Martin(LA Dodgers)… ナ・リーグ/ゴールドグラブ賞
情報ソースは、当然、公式サイト。
The Official Site of Major League Baseball
Individual Player Stats - Kenji Johjima
Individual Player Stats - Ivan Rodriguez
Individual Player Stats - Russell Martin
また、Statsの略号については、
以下のサイトを参考にさせていただいた。
MLB - MLB Stats Glossary
■ 守備成績
まずは、3人の守備成績を比べてみる。| 試合数 | 刺殺 | 捕殺 | 失策 | 併殺 | 捕逸 | 許盗塁 | 盗塁阻止 | アウト寄与率 | 守備率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 城島 | 133 | 805 | 56 | 2 | 15 | 5 | 46 | 40 | 7.00 | .998 |
| Rodriguez | 127 | 834 | 50 | 6 | 7 | 7 | 47 | 21 | 7.56 | .993 |
| Martin | 145 | 1065 | 85 | 14 | 11 | 5 | 82 | 41 | 8.25 | .988 |
ゴールドグラブ賞の正確な規定…と言うわけではないが、
僕が個人的に考える、守備の貢献ポイントは3つあると思う。
- 個人によるプレーの質/正確さ
- チームプレイとしてのプレーの質/貢献度
- チームの勝利への貢献度
1点目は、個人の力で上下しやすいポイント。
例えば、失策はその代表だろう。
2点目は、その選手が如何に勝利に貢献したか。
目的が勝利である以上、持続的な意味で良いプレーとは、
より勝利に貢献したプレーと言うことになるだろう。
3点目は、チームの勝利への貢献度。
そのチームにおいてその選手が果たした役割はどれくらい大きかったのか。
特に捕手の場合には、リードという面もある。
チーム成績も加味せざるを得ないと思う。
それぞれについて、さらに掘り下げてみる。
個人によるプレーの質/正確さ
まずは、先ほども挙げた失策。
これは一番目に付きやすく、記録に残りやすい、守備の『結果』だ。
もちろん、チームに極端なノーコン投手や、
とんでもない変化球を投げる投手がいたら変わっては来るけれども、
一般的に失策というのは、本来出来たプレーが出来ないときに付けられるもの。
だから、数字上は個人の能力、と判断して良いだろう。
(例えば本来取れないボールを後逸した場合は、暴投と判断される)
そういう意味で言うと、城島の失策はシーズン通して、たったの2しかない。
これは、120試合以上出場した捕手11人の中で最も少ない。本当に驚くべきことだ。
一方で他の2選手はそれぞれ6、14と、2に比べるとかなり多くなっている。
では守備率ではどうだろう?
守備率とは、
“選手が守備に関わった回数のうち、失策をしなかった率”であり、
以下の公式で求められる。
(守備率 - Wikipediaより抜粋)
守備率 = ( 刺殺 + 補殺 ) / ( 刺殺 + 補殺 + 失策 ) = (刺殺 + 補殺) / 守備機会
失策数の少ない城島は、当然守備率でも貢献しており、
3人の中で最も高い.998。
続いて、Ivan Rodriguezが.993、
Russell Martinが.988と続く。
次に盗塁阻止率。
城島の売りでもある。
公式サイトのStatsにはそのデータがないので、盗塁阻止と許盗塁から求めてみると。
城島が.465、Ivan Rodriguezが.309、Russell Martinが.333。
圧倒的に城島が優秀だ。
ここまで見た限りでは、確かに、
城島以上の選手は見あたらないのではないか?とさえ思える。
チームプレイとしてのプレーの質/貢献度
では次に、チームプレイとしてのプレーの質、
試合の中での貢献度に付いてみてみる。
どんなに個人プレーが素晴らしくても、
有効でなければそれは意味がない。
詳しくは、セイバーメトリクスをかじっていただきたいが、
簡単に言えば、失策が少ないことと、失策を恐れてチャレンジしないこととは、
『失策数』という数字の上では見分けが付かない、からだ。
そういう意味で、その選手の守備プレーの質を判断するには、
どれだけのアウトを獲得したか?で判断するのが良いとされている。
いわゆる、アウト寄与率、だ。
アウト寄与率とは、
“ある選手が1試合平均(9イニング換算)でいくつのアウトに関与したかを示す指標”であり、
次の式で求められる。
(抜粋元、上記同)
アウト寄与率 = ( 刺殺 + 補殺 ) / 守備イニング数 * 9
城島のアウト寄与率は、7.00。
一方で、Ivan Rodriguezは7.56、Russell Martinは、なんと8.25。
1試合におけるアウトの獲得率が、城島より平均1個以上多いことになる。
(120試合以上出場した捕手11人の中では8番目)
2人の、試合への貢献度が、城島に比べて圧倒的に高いことは明らかだ。
僕は決して城島が拙いと言いたいわけではなく。
彼も素晴らしいが、その彼よりも素晴らしい選手がいたということを、
少なくとも記録は示している、と言いたい。
結局の所、盗塁阻止もアウト寄与に含まれるわけで。
城島の売りである肩は、他の2選手には確かにないが、
しかし他の2選手には、それ以外で貢献する方法がある、ということではないか。
(と書いて思ったけど、捕手のアウト寄与率って外野手も重要だね…そういえば)
チームの勝利への貢献度
最後に、チーム成績を簡単に見てみると。
これが笑ってしまうのだけど、SeattleとDetroitとは、
88勝74敗でプレーオフに進めず…と、
全く同じ成績なんである(苦笑)
さすがにこれは、甲乙付けられない。
ま、ちなみに、ドジャースは82勝80敗で、
ナショナルリーグ西地区4位なんで…
チームの順位どうこうは僕が思ってるだけで、
あんまり関係ないってことか。
以上、守備成績をまとめると、
個人成績として城島にも見るべき点はあるが、
捕手としての仕事をより高いレベルでこなしているのは、
Ivan Rodriguezということになるのではないかと思う。
■ 打撃成績
次に、打撃成績を上げてみる。コメントでは、打撃成績が重視されている…と書かれているが、さて。
今季の3者の主な打撃成績は以下の通り。
| 打率 | 打点 | 本塁打 | |
|---|---|---|---|
| 城島 | .287 | 61 | 14 |
| Rodriguez | .281 | 63 | 11 |
| Martin | .288 | 87 | 19 |
若干、Russell Martinが抜きんでてはいるが、
城島と、Ivan Rodriguezの成績は殆ど変わらない。
長打率、得点圏打率などを加味すると、
城島の方が良いくらいだ。
今までのゴールドグラブ賞を見れば、
打撃成績など重視されない、とはとても言えないけれども、
しかし、この選考に限って言えば、
さほど大きな影響があったとは思えない。
■ まとめ
結局の所、守備では、Ivan Rodriguezを評価するだけの根拠があり、打撃では、取り立てて違いがなかった。
結局、城島を押すべき特筆点は見あたらず、
そうなるとやはり、チームをまとめたIvan Rodriguezが、
印象として評価されるのも仕方のないことかなと思う。
まー実際の話、データの精査なんかするわけがなく、
監督・コーチによる投票という印象ベースの投票システムなので、
ここに書いた、データによる裏付けは、結果論なんだけどね。言っちゃうけど(苦笑)
仮にSeattleがプレイオフに出てれば、印象度もかなり違ったろうけど…
今回は仕方がないね。
また、来年。
追記
id:gomisさんの、知名度ってのは、全くその通りだよなー言及し忘れてたけど。Ivan Rodriguezといえば、Texasのときから、名捕手として有名だったわけで。
36歳になった今、強肩を誇ったその肩は随分と衰えてしまったけれども、
(1999年の盗塁阻止率、なんと.547!)
それでもやっぱり、彼は名選手、みたいなのがみんなにあるっていう。
だから、その印象度に引っ張られて、有名な人が選ばれる。。
システムを変えようとしてもなかなか変わらないだろうから、
もうこれは、そういうもんだと思うしかないのかもなーとか。
純粋な、守備No.1ではなくてね。




